今年の日本口臭学会学術大会からの情報です。
ネグレクトと口臭との関係です。
口臭があると心配して、
口臭外来にお子さんを連れてくる母親がいます。
この場合、以下のようなケースがあります。
①母親は口臭を自覚していて、実際にお子さんに口臭がある
②母親は口臭を自覚していて、実際にお子さんの口臭がない
③母親は口臭を自覚してなくて、実際にお子さんに口臭がある
④母親は口臭を自覚してなくて、実際にお子さんに口臭がない
④の場合、母親は口臭がないと認識していて、
実際に口臭がないので、来院はしないですよね。
③の場合、母親は口臭を自覚してないけど、
実際は口臭があるので、口内に問題があると考えます。
③のようなケースがネグレクトの兆しだという事です。
ネグレクトは母親の育児放棄だと思われてますが、
育児とは、家族全員もしくは社会全体で行うべき事です。
未だに母親が育児全てをするのが当然という風潮があります。
この風潮により、母親ひとりではどうしようもないのに、
誰にも相談できず、助けてもらえず、ネグレクトが進むのです。
歯科受診した際、歯みがきができてないお子さん、
極端にむし歯が多いお子さんを見つけたなら、
ネグレクトの兆しであると、歯科医師は判断すべきです。
そして、ネグレクトからの救済について
気づいた歯科医師がじっくり取り組むべきです。
ネグレクトは母親だけの問題ではありません。
その点を十分、母親に理解してもらい、
お子さんを取り巻く全ての人とともに救済すべきです。