日本口臭学会第13回学術大会の情報を抜粋してお届けします。
一般に口腔乾燥は、口臭の原因一つといわれています。
しかし、「口臭があるので、口腔乾燥症を治してほしい」とか
「口臭が消えないので、口腔乾燥の治療をしてほしい」とか
口腔乾燥の治療で口臭が消失するという解釈は正しくない。
口腔乾燥(ドライマウス)とは、
患者さんの主観的な口腔乾燥の自覚症状と
術者からみた客観的な口腔乾燥の他覚的な徴候の
両方を包括した用語です。
患者さんが口腔乾燥感を訴え、
治療のために受診した場合に口腔乾燥症と診断される。
口腔乾燥感の原因は、
唾液腺機能異常がある場合とない場合がある。
機能異常がない場合は口呼吸による唾液の蒸発、
口腔の体性感覚の神経障害がある。
神経障害とは、舌痛症(口腔内灼熱症候群)や
異常感覚があり、乾燥感やネバネバ感を訴える。
唾液腺機能異常がない場合、
体性感覚の神経障害のなかに、乾燥があるので
口臭が出るという思い込みで
口臭を訴える患者さんがいる。
口臭の原因は多岐にわたるため、
原因究明とその対処が基本です。